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試験制度まとめ

中小企業診断士試験の詳細情報

受験資格、出題科目、合格基準、費用の目安をまとめました。 中小企業診断士試験は、特定の作業代行ではなく「経営の全体最適」を診る能力を測るため、非常に網羅的で実戦的な内容となっています。年度ごとに細かな変更があるため、出願時は必ず最新の受験案内で確認してください。

1次試験の受験資格

年齢・学歴・実務経験・国籍などの制限は一切ありません。 経営を学びたい学生から、他業界の技術者、文系職種のビジネスパーソンまで、誰もが等しく同じスタートラインから挑戦できる完全開かれた国家資格です。

2次試験の受験資格

原則として、同年度または前年度の第1次試験合格者に受験資格が与えられます。1次試験合格には「2年間」の2次試験受験有効パスが付与されるため、1年目に1次合格、2年目に2次集中といった戦略的なアプローチも可能です。

受験手数料の目安

近年実績では第1次試験が14,500円、第2次試験が17,800円となっています。他の高額な民間スクールや学位(MBAなど)取得費用と比較して、極めてリーズナブルなコストで国が認める最高峰の経営ライセンスにアクセスできるのが大きなメリットです。

第1次試験の7科目:出題範囲と要求能力

区分
出題の本質・採点者が求める能力
A
経済学・経済政策マクロ経済学・ミクロ経済学の基本理論をベースに、為替・物価の変動要因、国の財政・金融政策の仕組みまで、ビジネスを取り巻く市場環境を体系的に学びます。試験ではIS-LM曲線などの「グラフの動的シフト」の本質的な理解が要求され、単なる用語の暗記ではなく、経済データのトレンドを的確に読み解く【マクロ的な環境分析力】が厳しく評価されます。
B
財務・会計簿記の基礎から、決算書を分析するアカウンティング(管理会計)、企業価値や投資判断を扱うファイナンス理論までを網羅する、2次試験(事例IV)直結の最重要科目。試験では複雑なキャッシュフロー計算の正確性とスピードが求められ、定量的な数字の裏に潜む経営リスクや資金ショートの兆候を冷徹に見抜く【定量的意思決定力】が評価の柱となります。
C
企業経営理論ドメイン選定や競争優位を扱う「経営戦略論」、メンバーの統率や組織デザインをデザインする「組織論」、 shadow-smそして売上を最大化する「マーケティング論」の3つの柱から成る診断士のコア科目。試験では一見正しそうに見える選択肢の絶妙なニュアンスの「罠」を見抜く論理的整合性の検証能力、および長文を正確に読み解く【本質的な問題解決のストーリー構築力】が厳しく評価されます。
D
運営管理製造業の「工場(生産管理)」と小売・流通業の「店舗(店舗・販売管理)」という、ビジネスの現場オペレーションの効率化を極める実践的科目。試験ではIE手法(作業研究)や在庫最適化、JIS規格、各種店舗法規など膨大な実務知識の正確な識別が求められ、現場の「ムダ・ムラ・ムリ」の病巣を的確に発見してプロセスを劇的に変える【現場改善の即戦力スキル】が評価されます。
E
経営法務会社設立やガバナンスを規定する会社法、契約トラブルを未然に防ぐ民法、無形資産ビジネスを保護する知的財産権(特許・著作権)、さらには倒産法制まで、事業を安全に運営するためのリーガルマインドを習得します。試験では具体的な法的紛争事例を想定した応用判断が要求され、法律家とは異なり、経営実務 of 観点から【法的リスクの早期察知と現実的な回避策の提示力】が評価されます。
F
経営情報システム情報技術の基礎(ハード・ソフト・ネット)から、システムの開発プロセス、情報セキュリティ対策、現代経営の勝ちパターンを決定づけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進戦略までを広くカバー。試験では最新のITトレンド用語や技術規格の正確な暗記が求められ、テクノロジーをツールとして経営課題にどう組み込むかという【最上流のITグランドデザイン能力】が評価されます。
G
中小企業経営・政策日本経済の99.7%を占める中小企業の最新マクロ動向を「中小企業白書」から読み解くと同時に、国や自治体が提供する公的支援策(補助金、助成金、低利融資制度)を網羅する超実戦的科目。試験では白書の緻密な統計数値の暗記と目まぐるしく変わる制度ルールの正確な把握が必要であり、リソース不足の経営者に対して即効性のある解決策を提案できる【施策引き出しの即応力】が評価されます。

第2次筆記試験の4事例:コンサルティングの記述実戦

事例 I

組織・人事に関する事例

中小企業の経営戦略を踏まえた組織構造の最適化、成長ステージに応じた人材育成・評価制度の設計、M&Aや事業承継に伴う組織文化の融和など、主に「ヒト・組織」の側面から持続的な競争優位を確立するための論理的な因果関係の構築と助言能力が問われます。

事例 II

マーケティング・流通に関する事例

限られた経営資源の中で、ターゲット顧客(コアファン)をどのように特定し、独自のブランド価値を高めるか。製品(Product)、価格(Price)、流通(Channel)、プロモーション(Promotion)の4P戦略を駆使し、地域の特色やSNS、Webを活かした具体的な「売上拡大の処方箋」を描く力が評価されます。

事例 III

生産・技術に関する事例

ものづくりを行う中小製造業を舞台に、生産計画のばらつき、在庫の過不足、品質・納期の遅れといった現場の病巣を特定。生産プロセスの標準化やIT活用、外注管理の最適化など、現場のオペレーションに深く踏み込んで効率化と付加価値向上を両立させる「実戦的な現場メス」の使い方が試されます。

事例 IV

財務・会計に関する事例

与えられた財務諸表(B/S、P/L)を基にした定量的・多角的な経営比率分析、将来の利益を見通すCVP(損益分岐点)計算、不確実性の高い設備投資の意思決定(NPV評価)、そして企業の寿命を左右するキャッシュフロー予測など、経営陣に対して最も説得力を持つ「数字のロジック」による提案書作成力が厳しく試される最難関事例です。

合格基準の考え方と「足切り(過落)」の罠

1次試験(マークシート方式)

総点数の60%以上(700点満点中420点以上)を取得することが基本ラインです。ただし、1科目でも満点の40%未満(40点未満)の点数があると、合計点がどれだけ高くてもその時点で不合格(足切り)となります。苦手科目をいかに底上げするかが勝負の分かれ目です。科目合格制度(3年間有効)を活用した複数年での突破戦略も非常に有効です。

2次筆記試験(記述・論文方式)

4つの事例の総点数が60%以上(400点満点中240点以上)であり、かつ各事例で40点未満の足切りがないことが条件です。2次試験は相対評価の側面が強く、上位約20%に入る必要があります。知識の絶対量ではなく、与えられた架空企業の財務・経営状況を冷徹に分析し、出題者が要求する制約条件に合わせて論理整然とした提案書作成能力が評価を左右します。

合格後の公式手続き:登録までの重要なステップ

試験に最終合格しただけでは、正式に「中小企業診断士」を名乗ることはできません。合格後3年以内に、経済産業省が指定する「実務補習」を15日以上(通常5日間×3回、1回あたり約5万〜6万円の費用が発生します)受けるか、実際の企業コンサルティングに直接従事する「実務従事」を15日以上経験して要件を満たすことで、正式に経済産業大臣への登録(5年間有効)が完了します。

※ 『合格』と『登録』は別のステップです。登録後の維持にも5年間で一定の実務実績と理論研修が必要となるため、合格後のキャリアプラン(企業内として活かすか、独立するか)も早めに想定しておくことをお勧めします。

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