試験制度まとめ
中小企業診断士試験の詳細情報
受験資格、出題科目、合格基準、費用の目安をまとめました。 中小企業診断士試験は、特定の作業代行ではなく「経営の全体最適」を診る能力を測るため、非常に網羅的で実戦的な内容となっています。年度ごとに細かな変更があるため、出願時は必ず最新の受験案内で確認してください。
1次試験の受験資格
年齢・学歴・実務経験・国籍などの制限は一切ありません。 経営を学びたい学生から、他業界の技術者、文系職種のビジネスパーソンまで、誰もが等しく同じスタートラインから挑戦できる完全開かれた国家資格です。
2次試験の受験資格
原則として、同年度または前年度の第1次試験合格者に受験資格が与えられます。1次試験合格には「2年間」の2次試験受験有効パスが付与されるため、1年目に1次合格、2年目に2次集中といった戦略的なアプローチも可能です。
受験手数料の目安
近年実績では第1次試験が14,500円、第2次試験が17,800円となっています。他の高額な民間スクールや学位(MBAなど)取得費用と比較して、極めてリーズナブルなコストで国が認める最高峰の経営ライセンスにアクセスできるのが大きなメリットです。
第1次試験の7科目:出題範囲と要求能力
第2次筆記試験の4事例:コンサルティングの記述実戦
事例 I
組織・人事に関する事例
中小企業の経営戦略を踏まえた組織構造の最適化、成長ステージに応じた人材育成・評価制度の設計、M&Aや事業承継に伴う組織文化の融和など、主に「ヒト・組織」の側面から持続的な競争優位を確立するための論理的な因果関係の構築と助言能力が問われます。
事例 II
マーケティング・流通に関する事例
限られた経営資源の中で、ターゲット顧客(コアファン)をどのように特定し、独自のブランド価値を高めるか。製品(Product)、価格(Price)、流通(Channel)、プロモーション(Promotion)の4P戦略を駆使し、地域の特色やSNS、Webを活かした具体的な「売上拡大の処方箋」を描く力が評価されます。
事例 III
生産・技術に関する事例
ものづくりを行う中小製造業を舞台に、生産計画のばらつき、在庫の過不足、品質・納期の遅れといった現場の病巣を特定。生産プロセスの標準化やIT活用、外注管理の最適化など、現場のオペレーションに深く踏み込んで効率化と付加価値向上を両立させる「実戦的な現場メス」の使い方が試されます。
事例 IV
財務・会計に関する事例
与えられた財務諸表(B/S、P/L)を基にした定量的・多角的な経営比率分析、将来の利益を見通すCVP(損益分岐点)計算、不確実性の高い設備投資の意思決定(NPV評価)、そして企業の寿命を左右するキャッシュフロー予測など、経営陣に対して最も説得力を持つ「数字のロジック」による提案書作成力が厳しく試される最難関事例です。
合格基準の考え方と「足切り(過落)」の罠
1次試験(マークシート方式)
総点数の60%以上(700点満点中420点以上)を取得することが基本ラインです。ただし、1科目でも満点の40%未満(40点未満)の点数があると、合計点がどれだけ高くてもその時点で不合格(足切り)となります。苦手科目をいかに底上げするかが勝負の分かれ目です。科目合格制度(3年間有効)を活用した複数年での突破戦略も非常に有効です。
2次筆記試験(記述・論文方式)
4つの事例の総点数が60%以上(400点満点中240点以上)であり、かつ各事例で40点未満の足切りがないことが条件です。2次試験は相対評価の側面が強く、上位約20%に入る必要があります。知識の絶対量ではなく、与えられた架空企業の財務・経営状況を冷徹に分析し、出題者が要求する制約条件に合わせて論理整然とした提案書作成能力が評価を左右します。
合格後の公式手続き:登録までの重要なステップ
試験に最終合格しただけでは、正式に「中小企業診断士」を名乗ることはできません。合格後3年以内に、経済産業省が指定する「実務補習」を15日以上(通常5日間×3回、1回あたり約5万〜6万円の費用が発生します)受けるか、実際の企業コンサルティングに直接従事する「実務従事」を15日以上経験して要件を満たすことで、正式に経済産業大臣への登録(5年間有効)が完了します。
※ 『合格』と『登録』は別のステップです。登録後の維持にも5年間で一定の実務実績と理論研修が必要となるため、合格後のキャリアプラン(企業内として活かすか、独立するか)も早めに想定しておくことをお勧めします。
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